キミだけに届けたいもの





「じゃあ、お言葉に甘えて、お願いします!」

「うん」

そう言ってキッチンに向かって行った原代くん。

……

キッチンに立つ姿すらかっこいい。

絵になるなぁ


って、やっぱり見とれちゃってるよ!

あんまり見るとまた変に意地悪されるからやめよーっと……



原代くんに言われた通り、

ゆっくり過ごさせてもらうことにしましょ。

そう思って、原代くんの部屋を見てみることに。


実に男の子らしいお部屋で、

物が少ない。


私の部屋と大違い……


「ん?」

原代くんの机の引き出しが少しあいていて、

中が少し見える。

「わぁ~!なんか懐かしい!」

そこには、

懐中時計が。

私も昔大切にしてたな~

今もちゃんと部屋に飾ってある。

もう壊れてならないけど、


……無くなってしまった記憶の奥には、

たくさん思い出がある、

気がするから。

…捨てられない。



……あはは、

原代くんも持ってるんだ~


なんか、嬉しい…



そんなことを思っている間にお母さんが着替えを届けてくれた。

「ありがとう」

と言って受け取り、

「うまくやんなさいよ?」

なんて言われた。


な、何があああ!?

っていうか、お母さん何故原代くんの家を?

あ、原代くんが教えたのかな?なんて思いながら原代くんのお部屋に戻った。


お母さん、言ってる意味全くわかんなかったな~


「……お?」

原代くんの部屋にいて

キッチンの方からいい匂いがしてくる。


わあ!カレーだぁ~!!