キミだけに届けたいもの




「え?良兎、先輩?」


原代くん、今“良兎”って……


「……どーでもいいから、連絡してくる」


そう言って原代くんは部屋を出て行った。



良兎、先輩か……


原代くんが寝言で言った“良兎、ちゃん”を思い出す。


原代くん、無意識、だったよね?



はぁー……


わかんないよ~……




……原代くん、連絡しに行ったんだよね。

私、ここにお泊まりするって、ことでいいのかな?


ちょっとは理解してたつもり。

だけど、とても信じることが出来なくて……


また怒らせちゃったかな…?



……あれ、


レンラク?

スル?


私のお母さんに?



え、原代くんうちのお母さんの電話番号知ってるの?



ていうか、

私お母さんに原代くんのこと話したことないよ……!?

お母さん、原代くんのこと知らないよ!?


ええ!?原代くん、どーするの!?


慌ててそんなことを考える。



どうしよう、知らない男の子から電話来て

急にお泊まりだなんて……


お母さんも困ったでは済まないよね……



アタフタと一人焦っていると、