キミだけに届けたいもの







原代くんはベットに行き、掛け布団の中で静かに目を閉じた。


その顔は誰が見ても綺麗だと思うだろう。


こんな綺麗な寝顔、

私、独り占めしちゃっていいのかな…


なんて思いながらじっと原代くんの顔を見つめていると

パチッと形の良い大きな目が開き、

瞳が私を捉える。


あっ!

が、ガン見しちゃったよ……!

今更目を逸らしても遅いが、別の方向をぎこちなく見つめる。


「何見てんの?」



……原代くんです


なんて言いません。

ガン見したこと、怒ってるのかな?


「ごめん……!そんなに、ガン見するつもりはありませんでした。」


「目閉じてても、視線すごい感じた」


「……そんなにガン見してたかな?」


「俺に見とれてたの?」


「そ、そんな!見とれてたなんて、今更だよ」

「今更?」


「うん?」


「え、じゃあ毎日見とれてるの?」


「だって、そんな完璧な容姿じゃあ、ねえ…」




……ありえない、


って思ってるの?


眉間にしわがよって険しい表情をする原代くん。


そして次の瞬間、

ニヤッ

と不敵な笑みを浮かべた。