キミだけに届けたいもの




「飲み物出すから、お茶でいい?」


「あ、うん、お茶、いただきます!」


原代くん意外と気が利く。


って、またまた失礼だったかな…



お茶を持ってきた原代くんにお礼を言い、

「原代くん、体調は大丈夫?」

と、聞いてみた。


「大丈夫、だと思う」


思う、なんだね


「熱はあるの?」


「まあ、39度くらい」


「はあ!?!?」


「ちょっと、大きい声やめて、頭にひびく」


「あ!ごめん!」

ついやってしまった。


だって39度だよ!?

全然熱あるじゃん!


「原代くん!寝てなくて大丈夫!?」


「大丈夫じゃない」


「なんで寝ないの!?はやく寝なよ!」


「だって、誰かさんが来るから」


うっ、

「ご、ごめんなさい、やっぱり帰り…」

「だめ」

“帰ります”と言おうとしたが、

あっさりと原代くんのだめという言葉で遮られた。


「だって私いたら寝れないでしょ?」

「寝る」

「じゃまじゃない?」

「じゃまじゃない」

「そ、そっか」



なんか、素っ気ないけど

原代くん、私がお見舞い来たこと

嫌がってはない、みたいだね


私はなんだかそれが嬉しくて

来てよかったと思えた。