__放課後
「はい、どーぞ」
悠香が私に1枚の紙を渡した。
「あ、ありがとう…?」
これ、もしかしなくても、
「後輩くんの家までの道ね」
ですよねぇ……
どーやって入手したの、?
気になるけど悠香は変なところ細かいからな、
聞いたら話が長くなりそうだ…
「じゃあ、行ってみるね。わざわざありがとう悠香。また明日!」
「お役に立ててよかった。また明日ね」
よしっ
気を引き締めて、行きますか。
わかりやすくかかれた小さい地図のような線。
辿っていくと、
「ここ、かな?」
アパートに辿り着きました。
書かれている部屋の番号もちゃんと確認し、ドアの前までゆっくり歩く。
ここに、原代くんが……
よ、よし、
意をけしてインターホンに手を伸ばす。
ピーポーン
1度押すだけでも緊張するよ……
すると、
すぐに中から足音が聞こえてくる。
原代くん、かな?
ガチャッ
玄関の扉が開き、
「え、勅先輩……」
驚いた声で私の名前を呼ぶ原代くん。
「あ、原代くん!こんにちは、!」
あいさつをすると、
「なんで…?」
私のあいさつを思いきり無視して聞いてきた。
「あ、いや、心配だった、ので……」
「それだけでわざわざきたの…?」
「あ、やっぱり、迷惑だったよね!ごめんなさい!」
そうだよ、
体調が悪いのにいきなり人が来て、
迷惑、だよねぇ……
そう思い、帰ろうと原代くんに背を向けた、のに、
「なんで、帰るの」
私の制服の裾を掴んで呼び止める。
……原代くん?
熱、あるのかな?
ほんのり顔が赤い。
それに、そんな熱っぽい目で見つめないでよ……
「だ、だって、迷惑で…」
「誰もそんなこと言ってない」
え、
私、来てよかった、ってこと?
「……迷惑、じゃないの?」
「だから、誰もそんなこと言ってないから」
そう言って、どうぞ…と、私を原代くんの家の中に入れてくれた。
原代くんの家の中は、生活できてるの!?
って思うくらい物が少なかった。
でも、ダンボール箱がたくさん置いてあった。
なんだか、引っ越してきた感じがしなくもないような…
