キミだけに届けたいもの





「昨日、眠いって言ってた」

「は?眠い?」


「うん、すごく疲れてる顔で、ぐったりしてたから心配だったんだけど、睡眠時間2時間しかとってなかったらしくて」

「寝不足で体調崩したか」

「かな、?ちゃんとゆっくり寝てればいいけど……」

「本当に心配してんだね、しすぎってくらい」

「だ、だって!心配じゃん!」

「もう看病してあげられる勢いじゃない?心配しすぎて」

「もちろん!してあげたいくらいだよ!」

「あ、今の冗談で言ったつもりだったんだけど……」

「私冗談で言ってないよ?」

「あ、そう」

「うん…?」

「……まあ、心配なら家行ってみたら?」

「は、は!?」

な、!?

「心配なんでしょ?」

「そうだけど…」

「行ってあげたら喜ぶんじゃない?」

「で、でも……」


「ん?でも何?」

「私、原代くんの家知らないよ?」

「は?」

「……知らないよ」

「ずっと一緒に帰ってたのに知らないの?」

「だって、いつも原代くんが私のこと送ってくれてただけだから」

「なるほどねぇ」

「うん……」

「じゃあ、知ってれば行くのね?」

「え!?」

「行くよね?」

「い、いや、迷惑でしか…」

「何言ってんの!?良兎と友達以上になりたいなんて言ったやつが家に来て嬉しくないわけないでしょうが!」

「は、はい!」

悠香の勢いがすごくて思わず返事をしてしまった。

「おーけ、じゃ、放課後ちゃんと行くんだよ?」

「え?う、うん。だけど家がどこか…」

「放課後までには教えるから。」


え?

「わ、わかった……」


それ、ドユコト?


ま、いっか


今日の放課後、

原代くんの家をお訪ねしてお見舞いしてあげよう。