キミだけに届けたいもの





え?今の質問、変だったかな?



原代くんは一緒に帰りたいと言いました。



そして私の家を何故か知っていました。



そしたら、原代くんの家もこっち方面なのかな?って思うじゃない?



だけど原代くんは今来た道を戻っていくんです。


だから、家はこっちじゃないの?と聞いた、のに。




驚きを隠せていない原代くん。



「……俺、勅先輩の家と、逆方向だから」



ボソッとそう言った。



逆方向なのに、私のことわざわざ送ってくれたの!?



その言葉に次は私が驚く。


「何でわざわざ!送んなくてよかったのに!」


「……送っちゃダメなの」


「え、?」


「送りたかった、だけ」


「だから、そんなこと…」


「危ないから」


“そんなことしなくていいのに”と言おうとした私の言葉を遮って言った原代くん。


危ない?

私、高校入って1年間ちゃんと歩いたよ?


危ないって、


「何が、危ないの?」


「危ないよ、……事故、とか」


あ、

心配?してくれてるのか


「でも、もう高校生だよ?事故には充分気をつけてるよ」


「……そうだね、でもこれからもなるべく送るから」


い、意外と、心配性……?


優しい、ところもあるんだね



なんて、ちょっと失礼だったかな…?