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それは今朝の出来事。
いつものように昇降口でローファーから上履きに履き替えていた、が。
『ん?紙?』
下駄箱の中に二つ折にされている1枚のメモ紙が。
なんだろ?と思い、紙をそっと開いてみた。
すると、紙にはこんなことが書いてあった。
・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
勅 良兎(みことの らう)先輩へ
いきなり手紙など書いて申し訳ありません。
今日の昼休み、2階の空き教室に来てください。
大切なお話があります。
原代優風(はらしろ ゆう)
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
『大切なお話??』
教室に入るなり、
『おはよ、良兎』
『おはよ~。ねえねえ悠香、下駄箱の中にね、コレ入ってたんだけど』
すぐにその紙を悠香に見せた。
『何これ?手紙?てか、先輩って言ってるからこの子後輩??』
『らしいね』
『大切なお話か。良兎、多分これ告白だから。年下の男の子だからって油断しないでよ?』
『えっ?この子、女の子じゃないの?』
『は?だって優風だよ?男の子でしょ?名前に“風”がある感じとか。』
『そうかな?“ゆう”だから女の子かと。』
『まあ、どっちにしろ知らない子ね。』
『うん……』
大切なお話ってなんだろう?
