キミだけに届けたいもの






「それじゃ、僕たち行きますね」



そう言って私の手を引く原代くん。


原代くんの手、あったかい…

なんて、考えてる場合か!



屋上まで行くと、やっと手を離してくれた。


「勅先輩、ここ」


「あ、うん」


原代くんが無理やり隣に座らせる。



「……」


「……」



沈黙……



ど、どうすれば、



そう思っていると沈黙を破ったのは原代くんだった。



「……俺に、聞きたいことがあるのはわかってる。」


え、?



「……原代くん?」



「俺も話したいけど……」





は、原代くん…!?



何でそんな切なそうな顔するの?






「ど、どうしたの原代くん…!?」






「……なんでもない」