山川先生と黒崎先生は仲がいいらしく、でも傍から見れば性格は対照的。


「あの山川先生、もう大丈夫ですから」


幾分良くなった顔でいえばニッコリと笑う山川先生。


そしてありえない力で手を掴まれた。



「そんなに青白い顔で言われても説得力なし。

点滴と採血のオーダー入れとくからあとで冬馬にされること。」



「い、嫌ですっ!」


隣の処置室に連れていかれ、その言葉を聞かされた時身震いした。


研修医のくせして私は点滴も採血も点でダメ。



やるのは大丈夫だけど、やられるとなると針を見るだけで泣いてしまうほど。


昔からの病院のトラウマは今でも消えない。



「もしかして苦手?」

「うっ」