「よし、次で最後の患者さんだ。」


午後の診察をもうすぐ終えようとする頃、私は突然起こった激しい頭痛とめまいに立ってるのも辛かった。


やばい、クラクラしてきた。



「佐藤？どうした？次の患者を呼べ」


「あ、はいっ」


返事をするものの私めまいが酷く、黒崎先生が座っているディスクの端にガンっとをついた。



やばい、動かなきゃ。

でもそんな余裕もない。



「佐藤？」


「ハァ、ハァすみません、」


怪訝そうな声で名前を呼ばれなんとか返事をするもののなかなか動けない。


そんな私を見かねたのか黒崎先生は隣の診察室から、山川先生を呼んだ。



「どうしたー冬馬？

あれ？栞ちゃん」



ひょいとカーテンの隙間から顔を出したのは心臓外科でたまたま知り合った山川先生。


「こいつ多分貧血。

隣のベットに寝かせといて。
次の患者終わったらすぐ見るから」


「りょーかい」