♡♡♡♡冬馬side


「……っ」


唇を噛みながら涙を流す栞。

正直何をしていいか分からない。



ただ、ひとりじゃないと知って欲しくて。
無意識のうちに抱きしめた。



病室とか、関係なく。
ただ、温もりを感じたかった。


なぁ、栞。
お前はなんでそんなに消えそうなんだよ。



すっぽりと俺の腕の中にいるのに、まるで別世界にいるみたいに遠いいんだお前が。




「やっ、黒崎せんせっ」


俺の手の中で暴れる栞をギュッと抱きしめる。
壊れ物を治すかのように、離さないかのように、ぎゅっと。