「佐藤、お疲れ。もう大丈夫だ。」


「ありがとうございます」



15分くらいして黒崎先生のそんな声が出た。



心タンポナーデの患者さんはすぐに心臓外科の率いる緊急オペとなった。


ガラガラとベットごと運ばれていく患者さんを見つめながら横で黒崎先生がわたしにむかってそういった。


あそこで黒崎先生が来てくれてなきゃ正直困ってた。


助かったな、本当に。




「よし午後の診察だ。
回診もその後行くからな。」



「はい。」



聴診器を首にかけICUをあとにする黒崎先生の後ろに私もついた。