「持ってきてるのか?」

「そうなんですよ。」



ハハッと頬がひきつりながらもそう言った。


お昼を持ってきてるなんて嘘。




最近食欲がなくて朝と昼は食べていない。

元々中学校の時から貧血が重度な私はそんなことしていいはずないんだけど、どうしても食べたくなくてここ最近はまともな食事をとっていない。


そんなこと医者である黒崎先生にいえば無理やり食べさせられるのが目に見えてるから口が裂けても言えないけど。



「そうか。ならいい。
カルテ整理が終わったら一般病棟の患者とICUの患者の様子みとけ。
ICUの患者は特にバイタル気をつけろ」


「分かりました」




スラスラとペンを走らせて、メモを終えた時グッと一礼して私は診察室をあとにした。



♡♡♡♡


ーーピコん、ピコンピコン



ICUの患者さんの様態を見ていると耳に飛び込んできたのは異常をしらす心電図の音。



反射的に振り向けば心電図の上のランプが赤くなっている。



「佐藤先生、この患者さんサチュレーション下がってきてます!!
血圧低下!呼吸数弱いです!!」


「分かった、黒崎先生に連絡して!
あと挿管するから7.5チューブください」



テキパキと指示を出す。


脳外科、心臓外科、救命救急を回っている私は急変の対応はあらかたできる。


PHSで看護師さんに黒崎先生を読んでもらうよう支持をし、ほかの看護師さんから挿管チューブをもらう。