「黒崎先生、おはようございます。
それからありがとうございました。」



二日後、完璧に体調を戻した私は朝の回診の前にペコリと黒崎先生に頭を下げる。


「まだ油断すんなよ。鉄剤ちゃんと飲んで定期検診に来ること。」


’あ’とその言葉を言い終わると黒崎先生はディスクから立ち上がり私の耳元でこう囁いた。



「お前のこと気に入ったから、覚悟してね」


先生の言葉にぼっと顔が赤くなった。




その言葉が頭から離れることはなく、1日中ドキドキしっぱなしだったのは、黒崎先生にだけは絶対に教えてあげない。