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「う……ん……」

毎夜のように繰り返される愛の営みの反動なのか、普段は疲れて朝までぐっすり寝てしまうのに、この日に限っては深夜に目が覚めた。

何とも言えない倦怠感がまとわりつく身体を起こすと、隣で寝ているはずの古賀くんの姿がなかった。

「古賀くん……?」

脱ぎ散らかしたパジャマを床から拾い上げ身に着けると、他の部屋まで彼を探しに行く。

唯一明かりがついていたのは、古賀くんが仕事をするのに使っている書斎である。

「いるの……?」

隙間から漏れ出た明かりを頼りに扉をノックすると、すぐさま反応が返ってきた。

「起きていたのか?」

古賀くんは椅子をクルリと回転させるその手には、小難しそうな数字が羅列してある書類の束。

「何してるの?」

「まあ、色々とな……」

「入っていい?」

「ああ」

掃除も片付けも不要だと言われていたので、これまで書斎に足を踏み入れたことはなかったのだ。