「もう!!離してよ!!」

雑誌もろくに読めないなんて、私に安住の地はないの!?

抗議するようにジタバタと暴れていると、急に視界が90度回転した。

「お前の席はここだろ?」

ソファに押し倒され有無を言わさず唇を塞がれると、くたっと身体の力が抜けた。

(なに……これ……)

古賀くんの甘えたは酷くなる一方で……。

「俺のことも少しは構えよ」

私は日に日に彼に逆らえなくなっていくのだった。

(悶え死にそう……)

古賀くんが仕掛ける悪戯は新婚バカップルの真似事のようなものばかり。

私が大人しく身を任せると本人は満足そうに微笑むからつい許してしまうのだ。

それが、彼を増長させている原因と言えなくもない……。