「……どうした。ニヤニヤして」
「眞琴くんって本当にあまのじゃくだなあって思って」
ただし、ただの“あまのじゃく”ではなく、私を溺愛する“甘のじゃく”だけど。
「……悪かったな、あまのじゃくで」
拗ねる旦那様をなだめるようにいってらっしゃいのキスをすると、その3倍くらいの濃厚なキスが返ってくる。
今では古賀電機の専務として八面六臂の活躍を見せている彼も、私の前では妻を溺愛する普通の夫だ。
「今日はなるべく早く帰る」
「うん、待ってる」
“甘のじゃく”
世界一のひねくれものに愛された私は……。
きっと世界一幸せだ。
★おわり★