「いい加減自覚を持てよ。お前は俺と結婚したんだろう?」

「好きで……あなたと結婚したんじゃないわ……!!」

かすみのことを盾に取られて脅されて……拒めなかったせいだ。

そうでなかったら、古賀くんと……古賀くんなんかと絶対に結婚するもんですか。

仕組んだ張本人のくせに、忘れたなんて言わせないから。

「古賀くんなんて大嫌いよ……」

ハラハラと涙が零れ落ちていく。

……大嫌い。

「古賀くんだってそうでしょ?」

……本当は二度と会いたくなんてなかった。

「気に入らないからいじめてきたんでしょ!?昔から私のことばっかり……!!」

あの頃……いつも思っていた。

どうして私ばかりがこんなひどい仕打ちを受けるのかって。