「どうしたの突然…っ」
彼が鞄を床にバン!と落としたので拾おうとした腕を思い切り引っ張られ、あっという間に抱き締められた。
スーツから香る柔軟剤の匂いと、緊張してるのか熱い体温。
心臓の音が直に聞こえてくる。
「日下部くん…ちょっと…」
私がもぞもぞ動こうとすると、更にギュッと力を込めてきた。
道端でこんなの…された事ないよ!
「一目惚れでした……」
ボソッと聞こえた言葉に目を見張る。
「飲み会の時、グラス割っちゃって周りの女の子はキャアキャア言ってる中、真島さんだけが俺の心配と店員呼んで来てくれて…。
その後も実はすれ違ったりしてたんですけど、良いなぁって思いつつ話しかけれなくて。
そんな時、食堂で横にあなたがいた時本当にびっくりしました。」

