「だって、愁に見せたら俺怒られるからね。
“何で見張ってないんた”とか言ってさ。

だから、隠しちゃった。

ちゃんとここを抜け出した制裁受けてね。」



せ、制裁って…、
何であたしが制裁を受けるのか。



「そんな〜…。」


「ま、抜け出したのが悪いよ。

ということで、証拠隠滅〜 〜。」



そう言いながらビリビリと手紙を破った。



「琴音ちゃん、愁をお願いね。
あいつ、あー見えても寂しがり屋だから。」


「…え、寂しがり屋なんですか?」


「琴音限りだけどね。
俗に言う、ツンデレってやつかな。

あ、琴音ちゃんもツンデレか。

いいね〜、ツンデレカップル!」



あたし、ツンデレじゃない…。

てか、海堂先生とカップルでもない。


好きになった覚えすらないんだけど…。



「…見つけた。」



背中に温もりを感じた。


振り返って顔を見なくても
声だけでわかる。


何故、後ろから抱きつかれてるのかは、わからないんだけど。