「…とりあえず、海堂も頑張りな。
それか ───────…。」
「…っ!」
このオッサン、俺の気も知らずに…。
絶対に俺にそんなことをできる自信はない。
100パーセントって言いきれる。
「…あー、くそっ!
……取り敢えず、先に琴音を心臓外科の病棟にうつすか。」
琴音を心臓外科の病棟にうつしてもらい、
病室をナースステーションの前にした。
丁度、空きがあってよかった。
「うわ〜、厳重だね。」
そう笑いながら来たのは怜於。
てか、何でこいつが毎度こっちに来る。
「何の用だ?」
「あのさ、外科の主治医は愁だとしても内科の主治医もいること知ってる?」
「おまえとは聞いていない。」
「急に決まったからね〜。よろしく、愁。」
怜於はまだ研修医だけど、腕は確かだ。
周りの先輩達も認めているほど。
実際に俺だって怜於のことは認めている。
「で、愁は琴音ちゃんにオペを受けさせる良い方法は思いついたわけ?」
「…いや、全く何も思いつかない。」

