その後も、シュートを何回か決めた。
試合が終わるまであと15秒もない。



〝 24 対 25 〟



相手が現役バスケ部ということで突き放せない状況かつ、1点差。


ここで、誰かがシュートを決めなければ負けてしまう。



「こと!」



ななちゃんからパスがまわってきた。
時間も無いに等しい。


ここで、決めよう。



そう思いシュート体制に入って上を向いた瞬間、心臓の鼓動を強く感じた。


胸が強く押さえつけられるような圧迫感と痛みを感じる。



その瞬間、立っていることも話すことも出来なくなり思い切り倒れ込んでしまった。



…あぁ、ようやく最期を迎えられる。



悔いも何もない。


“寂しい” や “生きたい” なんて感情も全くというほどない。



微かに聞こえるクラスメイト達の声と、必死に問いかけてくれる、ななちゃんと凪ちゃん。



2人がいてくれたから、


あたしは高校3年間だけ楽しく笑って過ごすことができたよ。

上辺だけの存在、だったのかもしれないけど本当に嬉しかった。



ありがとう。



2人がいたから、家で辛いことや苦しいことがあっても乗り越えることが出来た。