「ほら、水と薬。」


「…ありがとう。」




あたしは何度、愁さんに心配そうな目で見られるのだろう。


そのうち本当に『さようなら』を言われそうでとても怖い。




「しんどくないか?」


「しんどくないよ、昔のことを思い出して少し怖くなっただけ。」


「…そうか。
とりあえず熱だけ測っといて。」




愁さんの顔を見るのが怖い。

あたしはいつからこんな臆病な人になったのだろう。


でも、好きな人には嫌いになって欲しくないのは世界共通の誰もが思うこと。




「うぅ…っ……」


「琴音?今度はどうしたんだよ。」




困らせたくない。
気持ちが重い彼女でいたくない。

でも、ちゃんと伝えておきたい。




「…っ、すきっ、あたしちゃんと愁さんのことが好きだよっ…」