嫌々な顔をしながら琴音は服をまくった。


俺と出会った時なんて、反抗心でか服をあげるのを嫌がってた琴音が、、


成長したなー、って思った瞬間だった。




「確かに聴診する前からヒューヒューとした音が聞こえるね。」




そう言いながら、澤先輩は聴診していた。
しばらくして聴診器を耳から外した。




「…思ってた以上にやばそうだなって思ったのが正直な感想。

帰りに絶対薬局の方に行って吸入薬貰いに行って。あとは当分安静にね。」




澤先輩がそう言うと、琴音の顔がパァーっと一気に笑顔になった。




「…に、入院しなくてもいいんですか?!」


「うーん?したいならどうぞって言うけどさっきからのテンション見て嫌でしょ?」




澤先輩は会って数分の琴音のことを理解している。…少し妬ける。


俺ははじめ好かれていなかったから。




「絶対に嫌です! 病院食飽きたし毎日のように注射あるし絶対に嫌です!」


「だってさ、愁。帰ったら美味しいものでも作ってあげな、

…って、心臓病持ってたんだっけ?塩分制限あるのか、濃いものは食べれないね。

あ、ついでに1つ言い忘れた。

冷たいものは当分控えめにして、食べてもいいけど少量ね。」