紫「……ん…」



眩しい光が差し込んできて重たい瞼をゆっくり開けた。



見慣れた天井が目に入る。



紫「あれ…私、池田屋に…」



池田屋でみんなの前で力を使って、それで…。



ゆっくり起き上がるとなんだか体がふらつく。



よっぽど力を使ったのかな…?




ふと、右手が温かいことに気がついた。



紫「へ…すけくん?」



横には私の手を握ったまま眠っている平助くんがいた。



平「…ん……!し、紫乃!?」



紫「お…はよう…」



ガバッと起き上がると平助くんは大きな声で言った。



平「おはよう、じゃねぇよ!!お前、3日も眠ってたんだぞ!?」



み、3日!?



紫「ご…ごめん…ね?」



ニコッと笑って見せると平助くんは私を自分の胸へと抱き寄せた。



紫「きゃっ…!へ、平助くん…?」




平助はなにも言わずに私を包む腕に力を込める。



平助の肩が小刻みに揺れている。



泣いてる…の?



紫「平助く…」




平「怖かった。」



ポツリ、と小さな声で呟いた。



平「紫乃が、もう起きないんじゃないかって…。



俺の傷、治してくれたからだろ?」



初めて見る平助くんの弱い部分




平助くんのせいじゃないよ。そう言おうと思って口を開いた時、




平「また俺は…俺のせいで大切な人を失う…。」



大切な人。私がその中に入っていることが嬉しかった。



けど、それよりも…またって?




気になって聞こうと口を開いた刹那。