紫「わかりました。お見せします。」



もしものときのためと前に土方さんからもらった小太刀を抜き、腕を捲り上げる。



近「紫乃くん!?」



ザクッ


小太刀を腕に突き立て傷を作った。



紫「…っ!」


ドクドクと血が流れる。



紫「ふぅ…。行きますよ。」



一度深呼吸をしてまた、唱えた。



紫「我に秘められし、紫桜の力。涙に宿りてこの傷を治せ…。」



さっきと同じように涙が傷口に落ちると薄紫色に光り、傷は治った。



「「「…っ!」」」



その場にいたみんなが息を飲んだ。




私は順に傷を治していった。




紫「…平助くん。」



平「…ぅ…し、、の?」


紫「大丈夫。必ず助けるよ…。」



平助くんの出血は思ったより多くて、ものすごく体力を使った。



少しフラフラしたけどまだまだ助けなきゃいけない人がいる…!




紫「総司…。」



最後は、総司の番だった。


総司には大きな傷は見当たらない。



でも、口元についていた血を見てもしかしてと思った。



紫「紫桜の力よ。この者の病を照らし出せ。」



そう唱えると、総司の胸が淡く光った。




やっぱり…。



総司は怪我じゃない。病だ…。



今の私の体力で病を全て直せるんだろうか…。


ギュッと総司の手を握った。



温かい…。この温もりを失わせない!



私は必死に総司の胸元に涙を注いだ。



しばらくすると胸元の光がすぅ…っと消えた。



…よかった。治ったんだ…!



安心した瞬間、体に力が入らなくなって総司の横に倒れた。



みんなが呼ぶ声がするけど、まぶたが開かない。


さすがに、力使いすぎた…。


でも、よかった…みんな、を…治せ……た…。


私はそこで意識を手放した。