平助くんはどこ…?


「ぎゃあぁぁぁっっ!」


ビクッ


何度も聞こえてくる叫び声に体が揺れる。


夢があんなにはっきりしていたのはこの声のせいか。


絶えない声を聞かないように耳を塞いだ。


その時


「紫乃!起きた?」


襖が開いて聞こえたさっきの声とは違う声に顔を上げた。


「へ…いすけくん…。」



平助くんの姿を見て安心したからか少し冷静になれた。



「どうした?紫乃、顔色良くないよ?」



「ううん。大丈夫」



そう言っていつものように笑った。



「…そう?ならいいけど。



土方さんが呼んでるんだ。行こう」





急いで布団を片付けて部屋を出ようとしたその時 ───。