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side紫乃


『泣けよ!早く、早く涙を流せ…っ!!』



『いやっ…!や、やめて…っ!』


『いやあぁぁぁぁ!!!』



「…っ!…はぁ…はぁ……っ!」



ガバッと布団から飛び起きた。


「また…あの夢…!」


乱れた呼吸を整えながら部屋を見回すと平助くんはいなかった。


なんだか、今日の夢はいつもよりはっきりしてた…。


なんでだろ…?


考え込んだその時。



「ぎゃあぁぁぁっ!!!」



ビクッ



ものすごい叫び声が聞こえて来て身体が強張る。


何が起きてるの…?


今のは誰の声??


ひとりぼっちの部屋が屯所ではないような気がして急に怖くなる。