「ごめんごめん。おかしくて!」


何が?と言いたげに目をまん丸くして私を見てる平助くん。


「だって、お互い嫌われるんじゃないかって思ってて距離ができてたんでしょ?


私たち、似た者同士だね」



そう言うと平助くんは一瞬驚いたようだったけど


「そうだな!似た者同士だ!」


そう言って、いつもの笑顔で笑い出した。



土方さんが今日はゆっくり休んでいいって言ってくれたから疲れた体を休めるためもう一度布団に入った。




枡屋にいる間全然眠れなかったから寝不足なんだよね




私はすぐに意識を手放した。


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side平助


眠りについた紫乃を見てホッと胸をなでおろす。


『似た者同士』


まさかこんなこと言われるなんて思わなかった。


昨日、イラついて紫乃に当たってしまって嫌われたんじゃないかと思ったから。


拒絶されるのは、怖い。


一瞬、昔のことを思い出したけど首を振って誤魔化した。


「そういえば…!」

紫乃と仲直りできたことに浮かれてたけど


思い出した。部屋を出るとき、土方さんに言われた言葉



『仕事のこと、他言無用と言ったのは俺だ。



何があったか知らねぇが、お前がぼやぼやしてたら俺がもらうぞ。


あいつのこと。』



驚いたけど、思ったんだ。


紫乃を取られたくない。


土方さんにも他の誰にも渡したくねぇ。



俺が、守りたい。


多分初めて会った時からずっと俺はーーーー












紫乃が好きだ。












「平助。」


襖の外から聞こえてきた声。この声は…


「一くん。」


襖を開けるとやっぱり一くんが立っていた。



「土方さんが呼んでる。」


枡屋を総司たちが捕らえて来たかな。


「わかった。」


そう言って一くんの後について行った。