「…の…し…の……紫乃っ!」



「…ん…」


まだ眠いよ…



「紫乃っ!」


「わぁ!平助くん…っ!」



大きな声に驚いて目を開けると目の前にあったのは平助くんの顔。


「おはよう紫乃。土方さんが呼んでるよ?」



「え…?おはよう…?」



私、さっき山崎さんと屯所に帰ってきたはず…。



「紫乃、帰ってきてすぐ寝ちゃったから。」



「え!?」



昨日、帰ってきてからの出来事を必死に思い出す。



あ、そう言えば…



「俺のせいで気を失っちゃったんだ…。ごめんね?体調は…?」



平助くんが怒ってるのが怖くてそれで…。


迷惑かけちゃった…。



「平助くんのせいじゃないよ!いっぱい寝て、元気モリモリッ!」



力こぶを作るマネをしてふふんと笑ってみた。



「そっか…。よかった。」



そう言って立ち上がった。



「土方さんのところへ行こう。」


「あ…、はい。」



平助くん、なんだか距離開けてる…?


朝起きた時は近かったけどそれ以外平助が紫乃に距離を取り始めた。


気になったけどそんなこと聞けないから黙って平助くんの後ろをついて行った。