浅葱色の涙

「紫乃、よくやった。」


土方さんはそう言って紫乃の頭をワシャワシャと撫でた


「もう!土方さん痛いですよ」


紫乃はケラケラ笑っていた。


少しずつ、本当の笑顔を見せてくれるようになった紫乃をみて土方と山崎も嬉しくなった。



「平助と総司が心配してたぞ。」


「へ?」


「紫乃がいない!って俺の部屋に押しかけて来やがった。」


「2人が…。」



「特に平助はな。」


平助くん…。なんだか急に会いたくなってきた。

「さっ!無事に帰ってきたこと伝えてやれ。


でも、捜査の事はまだ言うな。


仕事で留守としか言ってないからな!」



「はいっ!」


土方さんの部屋を出ようと襖に手をかけたとき


「あ!」


そうだったと思い出して引き返した。


「土方さん、お小遣いです。」


そう言ってお金を土方さんの手に乗せた。


「なんだ?これは。」



「お茶代です!」


次こそ本当に土方さんの部屋を出た。



「あいつ、本当に監査方の素質あるよな…。」


「俺もそう思います…。」


そんな会話が繰り広げられてる事は紫乃は知らなかった。