浅葱色の涙

「行きましたよ。もう大丈夫です。」


「あ、ありがとうございます…。」



「…っ!」



あれ?この人顔赤い…?風邪引いてるのかな?


それならそれで看病してる間に調査できるから楽だなぁ…。


(紫乃の上目遣いに顔を赤くしているのに紫乃は無自覚だから気づいてません)



「大丈夫ですか?」


「あ、はい。それよりなぜ追われていたんですか?」



「歩いていたらぶつかってしまって…。


謝ったんですが、怒って斬ってやるって…。」



まぁ、嘘ですけど。


山崎さんはそんなに短気じゃありません。



「それは怖い思いをしたでしょう。まだ浪士がいるかもしれない。しばらくここにいたらいい。」



「そ、そんなっ!ご迷惑をかけてしまいます…。」


「では、ここで働いたらいい。ちょうど人手が足りなくて困っていたんです。」



や、やったぁぁあ!!


まさかそっちから働いてくれって言ってくれるなんて!


「わ、私働き口を探していたんです!ぜひ、お願いします!!」


こうして私は枡屋で働くことになった。