「紫音!!」



紫乃の声で目が覚めた。



紫乃がここに来てから1週間経ったけど紫乃はいつも俺より先に起きて静かに部屋を出て行くから。



大きな声を出すのは初めてだった。



それより、紫音って誰だ…?



「ハァ…ハァ…ゆ、夢か…。」




「ん〜、紫乃?」




ゆっくりと体を起こした。



よく見ると紫乃はすごく辛そうな顔をしていて
手も少し震えていた。




俺は気づいたら紫乃の手を握っていた。




怯えるようにビクッと紫乃の肩が揺れて俺の胸はギュッと締め付けられた。




なんだ、これ…。




俺が励ましたら紫乃は笑ってくれた。



嬉しかった



まだまだ、本当の笑顔じゃないけど…。