「紫乃、こっち見て?」




ゆっくり、顔をあげた。




「俺は…みんなは、紫乃が嫌がることはしない。



俺が、させない。だから大丈夫だよ。




怯えないで…。」




平助くんの目はまっすぐで。本当に心配してくれているのがわかった。




嬉しかった。握られている手が暖かくて。




なんだか、お母さんみたいだな。なんて思った





「ありがとう…。平助くん。」



だから今できる限りの精一杯の笑顔で笑った。




「おう!」


俺が守ってやるからな!




そう言って平助くんはまたお日様みたいな笑顔で笑った。