ここの人たちはみんな優しそうだった。




土方さんは怖いけど。



でも、もしこの力がバレたら…



私を売る?怒る?気味悪がる?



「…の…し…紫乃!」



「は、はいっ!」



いろんなことを考えてたらボーッとしちゃってた。



いつの間にか、藤堂さんの部屋に着いたみたい。



「もう!ボーッとしてたら危ないよ?」




「ごめんなさい…。」



「ん。さ、部屋に入ろう!」




藤堂さんの部屋は土方さんの部屋ほどでは無いけど広かった。




「紫乃、これからよろしくね?」




藤堂さんはまたお日様みたいな笑顔を浮かべて手を出した。




「よろしくお願いします。」



私もニッコリ笑ってその手を掴んだ。




それを見てまた嬉しそうに藤堂さんが笑う。





「あの、藤堂さん…」




「ん?」




「私、迷惑じゃ無いですか?」




「え?」




「突然藤堂さんの部屋に上がり込んでしまって…」




本当はずっと気になっていた。



藤堂さんと相部屋というのは近藤さんが決めたから



迷惑だったらどうしようって…。