「紫乃くん。どこか行くあてがあるのかい?」



元々、江戸に住んでいたからこの辺りに頼れる人どころか知り合いもいない。



「いえ…。」




「そうか。ならここにいたらいい」





「「 は…? 」」



怖い人と私の声が重なる。



「おい、近藤さん!長州のやつかもしれないんだぞ!?それに、新選組は女人禁制だ!」




「長州なら隠れみのがあるはずだ!頼れる人がいるはずだろう。帰るところが無いと言ったんだ、長州じゃないだろう!」





2人が言い争っているのをみんなはまたか…と言うように見ていた。




長州



その言葉にドキッとした。



「…私、長州は嫌いです。」


さっきの笑顔からほ想像出来ない殺気にみんな固まった。