「圭助っ!!!!」




圭助がいた。



「私にぶつかってくるなどなんたる無礼!」



男はそう言って一歩、圭助に近づいた。



「圭助!!」



圭助のところへ走ろうとした瞬間腕を引っ張られ身動きが取れなくなった。



「おばちゃん!何するんだよ!圭助がっ!」



甘味屋のおばちゃんが俺を抱きしめていた。




「相手は刀を持ってるんだよ!?勝てるわけがないだろう!」



圭助はペタンと地面に座り込み動けないようだ。



「でも!圭助助けないと!!」




俺の声に気づいて男はこっちを向いた。



「お前、こいつの兄か。」



「そうだ!圭助を離せ!」



圭助の右手は男にガッチリと掴まれていた。



「兄ちゃん!!」



圭助のところへ行きたいのにおばちゃんの力に敵わない。