午前7時30分。


「ふあぁ…」


私は登校する時にいつも通る小さな交差点で信号が青になるのを待っていた。


ここの交差点は信号の色が変わるまでの時間が結構長い。

だから、遅刻してしまいそうで急いでいる時にここが赤信号だと軽く絶望する。

けれど、今日は日直でもないし時間にだいぶ余裕をもって家を出たからこの長い信号で待たされても痛くも痒くもない。


 ―――タッタッタッタ‥


後ろの方から誰かがこちらに向かって走ってくる足音が聞こえる。

こんな早い時間なのに何で急いでるんだろう?

サラリーマン?それとも学生?
どっちにしろ、やっぱりまだそんなに急ぐような時間でもない気がする…。

私が呑気(のんき)なだけなのかなぁ。


「っ、はぁ…はぁ…うわ…走ってきたのに赤だったかぁ。」


息を切らせながらその走ってきた人は私の隣で信号が赤だったことにヘコんでいた。