新着から読みました。この著者の作品は初めてです。
↓以下ネタバレあり↓

本作品は、主人公が冒頭から突然理不尽にモモンガになっているという大きな絶望感に襲われながらスタートします。
ある日突然大きな絶望の淵に叩き落されることもある、未来は誰にも予測できないというある種人類史上普遍的な問題にこの1匹のモモンガがどう対処していくのか、何事も冷静に状況を受け入れて前向きに直向きに生き抜くモモンガの強い姿、そして明るさに感銘を受けました。
突然の安定した生活の喪失、社会生活での理不尽さ、現代社会の闇とも言えるようなエピソードをふんだんに盛り込みつつ、決して暗くならない爽やかな文体に引き込まれました。
主人公の鬼道も詠唱破棄ではないところに未熟さが感じられ、まるで一緒に成長していくような入り込みやすいキャラクターで好感が持てました。
年齢性別問わず全ての方にオススメできます。