葵side



雨が降りしきる6月のある日。


私はオフィスでため息を漏らしていた。



「絶対、白石さん佐々木さんのこと
狙ってるわね。」


後ろから、声が聞こえた。
振り返ると



「わっ!高橋さん!」



「絶対好きよ。ほら、見て!白石さん、最近佐々木さんにべったりたもん。」



「えっ!やっぱりそう思いますか?!」



「女の勘よ。」




そう、私のため息の原因は
新入社員の 白石 渚さんにあった。




白石さんは今年入社してきたばかりで、
年齢は22歳。


私よりも4つも年下である。