残されたあたしは一人ぽつんと砂浜に立って自己嫌悪。



はぁ~…こんな態度で



志磨が好きだって伝わるわけないじゃん…。




「もぉ~…バカあたし!!」




ぎゅ、と拳をつくると、



また、聞き覚えのある声がした。




「お、ぴよじゃん!」



「……げ」




振り返ると、そこには志磨の友達の、涼也(りょうや)がいた。




「ぴよ一人?さみしー(笑)
つか、志磨見なかった?」



「友達と来てるっての!
志磨なら、あっち行った」




志磨と涼也は、あたしのことを『ぴよ』って呼ぶ。



最初に『ぴよ』って呼んだのは、志磨だけど。