「嘘じゃ、ないです……」
「はぁーーー」
また大きく息を吐くと、
抱きしめる腕にさらに力がこもった。
「……好きだ。
ぴよが好きだ。
俺、“ぴよ”って呼ぶの、すげぇ緊張してんのに
涼也が普通に呼んでるし、
なんか、バカにしてるみたいだったろ?
だからぴよが、“ぴよ”ってあだ名を嫌いになったらどうしようって思ってた」
え、そんな……
ぴよって呼ぶの、緊張してたの?
最初から、バカにされてるのかと思ってた。
だけどあたしは
志磨がつけてくれたあだ名だから、
嫌いなんて、思ったことない。
「あ、でも、
付き合っても“ぴよ”って呼んだらあんまり特別感ないか?」
「涼也が呼んでなかったら、特別なんだけどね」
「だな」
「志磨が緊張して呼んでくれるなら、
あたしはなんでもいいや」