目線の先には、霊安室と書かれたプレートがあった。
心臓が大きく脈打った。それは、俺の体が俺自身に何かを計画するように。
「中へどうぞ。息子さんか確認してください」
ゆっくりと中へ入った。
看護師は白い布を取ろうとしていた。
「あ、待ってください」
看護師は一瞬眉を寄せたが、後に退いた。
俺は白い布に手をかけ、息を深く吸い込んだ。一思いに布を横にずらした。
「あぁ……」
樹だ。樹だった。
2年前よりも少しだけ大人びているが、それは紛れもなく俺の息子だ。
「いつ……き……」
俺は涙を拭おうとしたが、出来なかった。全身に力が入らないのだ。
「ごめんな……ごめんな……!」
俺は頭を床に擦り付けた。
「俺が、俺があんなことにならなければ!
樹……、辛かったんだな、悲しかったんだな……!」
看護師が止めようとしたが、俺はひたすらに謝り続けた。意味はないと分かっていても。この声は誰にも届かないと知っていながらも。
「樹を幸せにしてやれなかった!樹は……樹は幸せになれなかった!」
心臓が大きく脈打った。それは、俺の体が俺自身に何かを計画するように。
「中へどうぞ。息子さんか確認してください」
ゆっくりと中へ入った。
看護師は白い布を取ろうとしていた。
「あ、待ってください」
看護師は一瞬眉を寄せたが、後に退いた。
俺は白い布に手をかけ、息を深く吸い込んだ。一思いに布を横にずらした。
「あぁ……」
樹だ。樹だった。
2年前よりも少しだけ大人びているが、それは紛れもなく俺の息子だ。
「いつ……き……」
俺は涙を拭おうとしたが、出来なかった。全身に力が入らないのだ。
「ごめんな……ごめんな……!」
俺は頭を床に擦り付けた。
「俺が、俺があんなことにならなければ!
樹……、辛かったんだな、悲しかったんだな……!」
看護師が止めようとしたが、俺はひたすらに謝り続けた。意味はないと分かっていても。この声は誰にも届かないと知っていながらも。
「樹を幸せにしてやれなかった!樹は……樹は幸せになれなかった!」

