この想いは僕より大きく


ある夜のことだった。

「祐也ーちょっと来て」

自分の部屋でいつものようにネット上で充とゲームをしていた。

だるいと思いながらリビングへ行くと朱里が座っていた

「あ、あれ。朱里どうしたの。社会人になってから家来たことなかったじゃん」

正直あのとき後悔した。もっとカッコいい服装でいればよかったと。スエットだったから。

「うん。あのね、実は私結婚するの。同じ職場の人と」

何を言っているのか理解できなかった。

結婚?朱里が?……何で……今までそういうの興味ありそうな感じ無かったじゃん。

それだけではなかった。

「来月ね、結婚を機に彼の地元の北海道に引っ越すの」

それ以上は体が拒否をした。
俺は何も言えなかった。

「……おめでとう……」

「うん。ありがとう、祐也君」

苦しかった。大好きな人が誰かにとられてしまったこと。そして、おめでとうなんて言葉で朱里に嘘をついてしまったことが。