小さい頃から好きな人がいた。その人は近所のお姉さん的存在。7つも離れてたけど、俺には最初で最後の本気の初恋だった。

「祐也、いつまで寝てんの」

「母さん、冬休みの8時はまだ朝じゃないよ」

「バカ言わないの。充君が下で待ってるわよ」

仕方なく俺は恋しい毛布を離す。

「相変わらず朝がダメねー」

母がキッチンにたちながらクスクスと笑う。俺は制服のネクタイを締めながら座りご飯を食べ始める。

「祐也あのさー昨日いってた動画だけど……」

ソファから親友の声ががする。
待たせておいてなんだけど、自分の家のようにいるのはなんなんだろう。

「いつもごめんねー、充くん」

「いえいえ、第2の家みたいなもんだし、ここは」


俺と充は幼稚園の頃からの付き合いだ。たまたま高校まで同じになった。本当にたまたまだ