「あーあ。残念」


これは隣の萌絵


「あーあ。ほんと残念。」


これが俺。
ただいま合格発表の掲示板の前。
俺の番号はあったけど萌絵のはなかった。


「あーあ。やっぱり私にはレベルが高かったかー。あーあ。」


そんなことはない。きっと受かってた。
今回は運が悪かったんだ。と思っても言葉にできない。


「がんばってたし、行けそうだったのにな。」


こんなに自分の語彙力の無さやそのたもろもろに嫌になることなんてないんじゃないかって思うくらい嫌になる。


「おめでと!波瑠くん!
違う高校になるのは残念だけど、お互いそれぞれの高校で頑張りましょう!」


ほんとはすごくつらいと思うけどニコって笑いながら俺をみる萌絵。

小さい頃から一緒にいて、高学年になるにつれてなんとなく萌絵の気持ちも気づいてた。もし一緒の高校になれたら...なんて淡い期待をしたり。

ほんとはもっと一緒に、高校なんて関係なく一緒におれる存在になりたかったけど、萌絵はきっと俺の力を頼りにしないで進むつもりだ。

だからありったけの気持ちを込めて萌絵の背中を押そう。


「ばいばい!これからもがんばれよ!」


精いっぱいの笑顔と気持ちを込めた言葉で