「あ、結菜さーん!お帰りなさいっ!」


笑顔で私の方に向かって隣の部屋から大きく手を振っている彼がいた。


高校生なのに茶色に染めている髪の毛。
屈託のない笑顔。


…奴がまた家に来ている…。


私は彼のことを見なかったようにそっと私の部屋と妹の部屋に壁を作った。


私の部屋と妹の部屋は大部屋に出来るようにと一軒家を建てる時に壁を押入れのようにたためる形式にしてあったのだ。



私と妹が家を出たらここを大部屋にしてシアタールームにするとお母さんは張り切っていたっけ。



なぜそこの壁をいつも開けてるかって?


それは私と妹のベッドが二段ベッドだから。


私の部屋の方が少し広いため私の部屋の方にベッドが置かれている。


寝るときは開けた状態で寝るためいちいち閉めるのもめんどくさいから普段は開けっ放しなの。


…おっと今はその話じゃなかったわね。