「……雫ってほんとバカ。」


「日向くんのほうがバカ…っ。」


わたしをバカにさせてるのは
日向くんだよ…わかってる?


わたしの気持ちわかってて
そんなこと言う日向くんのほうが
もっとバカだよ…



「…意味わかんない。」


「わたしだって日向くんのことわかんない…!」


日向くんの考えてること何にもわかんない


今だって…日向くんの手がギュッてわたしの手を握ってて熱が伝わってくる

その熱が手から全身に伝わっていく



「…わかんないなら踏み込んできなよ。」


「え…?」



それはダメだって思ってたのに…
だから自分の中でどこかでブレーキをかけて…


踏み込まないようにしてたのに…




「…来いよ、雫。」


「っ…!」



ズルいよ日向くん……



そんなこと言われたら


この恋に



もうブレーキはきかない………