日向くんを本気にさせるには。




「…前に言わなかったっけ?」

「なにを?」


「…雫が顔近づけて起こしてくれるの好きだって。」


「言ったような…言ってないような。」


記憶ってけっこうあやふやだ



「……それに今の雫すごい好き。」


「へ…!?」


スッとわたしの髪に絡む日向くんの指にビクッと身体が反応する



「……僕と同じ匂いする。」


「そ、そりゃ…お風呂借りましたから…ね?」


「…なんで敬語?」


「な、なんとなく?」



「……僕のものって感じがする。」


「っ…!」


この人は…ほんとわたしを不意打ちでドキドキさせる天才だ…



「…今ドキッてした?」


「い、いちいち聞かないで…!」


「……教えて。」


そんな甘く囁くなんてズルイよ…